VOL.10 2006.08.09 『8月6日・原爆の日』
また今年も8月6日がやって来ました。
今日は調布市内の団体の平和記念祭に朝5時から参加しました。
毎年僕はやっている事ですが、8時15分に黙祷をし、原爆で亡くなった方のご冥福を心からお祈りしました。
61年前の今日、アメリカから飛び発ったエノラ・ゲイから一発の原子爆弾が投下され、多くの方が命を落としました。
戦争を知らない私達の世代がどんどんと増えてきている昨今、改めて悲惨な戦争を起こさないために、私達が一体何を出来るのか酷暑の夏に想いを張り巡らせます。
私の祖父と祖母は10年前に亡くなりましたが、戦争の話をしていた事を今でもよく覚えています。
祖父は7年半、シベリアに抑留され、祖母は戦時中東京大空襲で家族を亡くしました。
戦争の悲惨さを体験者の口から聞くのと同時に、日本がいかにして世界中で吹き荒れていたファシズムの嵐に巻き込まれ、そして太平洋戦争へと突き進んでいったのか、たくさんの資料を読んで勉強もしました。
ここで言いたい事は歴史観というのは人それぞれが持つもので、色々な考えがあると思います。
ただそれも、自分達の持つ意見や感性・史観を口にしたと同時に、右だ左だという論争に発展しまいがちな傾向にあります。
人間が共通して持たなければならない考えは、どんな事があっても戦争を繰り返してはいけないという事であり、戦争体験者がだんだんと少なくなっていくこの時世に、私達若い世代もしっかりとした考えを持っていく事が大事だと思います。
以前「シンドラーのリスト」という映画の中で、アウシュビッツの収容所の所長が捕虜を次々と殺していく場面でシンドラーは言います。
「彼もまた戦争で狂った一人だ。
平時であれば何の事はない普通の人間だが、戦争が彼を狂わせた」 群集心理という言葉がありますが、まさしく人間の心理は周りの状況によって自分の中に飼っている魔物が目覚めてしまい、思わぬ行動を起こしてしまう事がある訳です。
そうした状況を引き起こさせる戦争を二度と繰り返さないという想いを改めて感じた一日でありました。