2008.03.19 : 総務委員会
〇尾崎委員

私は、都議会民主党を代表いたしまして、当委員会に調査を依頼された平成二十年度予算案にかかわる議案について意見の開陳を行います。 二十年度予算案は、堅調な都税収入を受け、一般会計は、前年度比三・八%増、六兆八千五百六十億円の規模となりましたが、一般歳出は、一・八%増の四兆四千百三十七億円にとどまっております。財政規模がほぼ同額の平成八年度当初予算と比較をしても、抑制が効いた予算案となっております。 歳入においては、都税全体で十九年度最終補正と比較をし百六十九億円、〇・三%の横ばい、とりわけ法人二税は一・六%の減収見込みとなり、企業業績の減速など今後の経済状況に対する警戒感を示しております。 歳出では、基金積み立てや大規模施設の改修、負の遺産の処理といった備えと補てんの部分が目立ち、その他の経常経費の増は五百三十九億円、二・八%でしかありません。 原油、資源価格の高騰や米国経済の先行き不透明感、地方法人特別税制度という大きな減収要因、オリンピック招致や社会資本更新経費といった東京の将来需要などに配慮をしつつ、都民生活が直面する課題に適切に対応する予算編成とされていますが、長期にわたった緊縮予算へのなれ、内部努力に伴う定数削減、職員のモラールの低下による企画力や執行力の低下が懸念をされます。 また、私たちが以前から求めてきた耐震診断や改修などの震災対策の促進や低所得者生活安定化プログラムの充実、小児科医を初めとする医師不足対策などの取り組みはまだまだ十分とはいえず、現代の貧困についての調査やメディアリテラシーへの取り組みなども見過ごされています。 そして、追加補正の新銀行東京、石原知事のトップダウンでつくられた銀行の救済のための四百億円追加出資は、石原知事を初めとした関係者の責任を明確にするとともに、その実態の解明がなければ、到底都民の理解を得られるものではありません。 最後に、民主党は、石原知事が妥協した法人事業税の一部国税化を取りやめ、道路特定財源の暫定税率を撤廃し、一般財源化を目指す道路特定財源制度改革関連三法案を成立させ、都財政の危機を救うべく取り組むことをつけ加えておきます。 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。

最初に、知事本局について申し上げます。 一、第二期地方分権改革が進む中、国と都による地方税財政改革に逆行した法人事業税一部国税化の合意が行われたことに対して、都は、その汚名を返上するためにも、分権推進に向けた取り組みをより積極的に行うこと。
一、道州制の導入を図るため、都も自立的で持続可能な国のあり方や道州制ビジョンなどを構想するとともに、首都圏の実態を踏まえた枠組みの実現を検討し、全国知事会等の連携のもと、国にその実現を働きかけていくこと。
一、「十年後の東京」の実行プログラムの策定では、都政モニターアンケートを反映したのみであり、協働とムーブメントを都民に求めるならば、より理解と協力を得るため、引き続き都民の意見に耳を傾けていくこと。
一、都民の平穏で安心・安全な生活を守るため、米軍基地による騒音などの生活環境問題の解決に努め、基地の整理、縮小、返還に地元自治体と連携をして積極的に取り組むこと。
また、返還までの対策として、横田基地の民間航空との共用化の促進等を国に対し強く働きかけること。
一、アメリカのシリコンバレーでは、スタンフォード大学が人材育成、教育に重要な役割を担っているように、都においても、アジア人材育成基金を活用し、首都大で受け入れた優秀な人材を東京の活性化に結びつけていくこと。
一、相互理解を深める都市外交においては、従来以上に姉妹・友好都市との交流を深めて、東京オリンピック招致や都市の発展などさまざまな分野で大いに役立てていくこと。

次に、青少年・治安対策本部について申し上げます。
一、都内の全小学校に防犯と安全教育を専門とする学校安全専門員の配置を進めるとともに、子ども学校安全ボランティアの活動推進、地元の防犯ボランティアとの連携強化など、地域と学校の防犯ネットワークを強化すること。
一、高齢者や女性をねらい、還付金詐欺など、悪質、巧妙化し、新たな手口がふえる振り込め詐欺や悪質商法等の被害防止対策を強化すること。
一、社会性や勤労観などさまざまなことを学ぶことができる中学生の職場体験の実施に当たり、よりきめ細やかな受け入れ先確保の仕組みを構築すること。
一、少年院出院者などの非行少年たちに対して、国や区市町村、保護司、NPO等との連携により、就学や就労、福祉などの立ち直りに必要な支援を行っていくこと。
一、交通事故をなくすため、三十日以内交通事故死者の分析を交通安全計画などに反映させるとともに、飲酒運転の根絶対策など交通安全対策を推進すること。
一、自転車の安全対策として、安全教室の開催や、転倒事故から幼児を守るハートフルメットTOKYOキャンペーンの推進、対歩行者事故対策として賠償責任保険がついたTSマーク制度の認知の向上などを積極的に行うとともに、無灯火走行禁止や改正道交法などをテーマとした広域キャンペーンを実施すること。また、放置自転車対策を推進すること。

次に、オリンピック招致本部について申し上げます。
一、スポーツと平和の祭典であるオリンピックを招致するというオリンピックムーブメントの根本的な意義に基づき、国際社会に訴える理念など最高の立候補ファイルを作成するとともに、招致経費もコンパクトな、品格のあるスマートなオリンピックを目指すこと。
一、招致から開催都市決定に至るまで、国や関係自治体、民間の全面的バックアップを得ていくこと。
一、NPO法人東京オリンピック招致委員会は、都から財政支出や人的支援を受けるため、招致活動の透明化を図るためにも、早急に都条例に準じた情報公開基準を作成し、公開に努めること。

次に、総務局について申し上げます。
一、行財政改革を進めるに当たっては、社会情勢の変化等を踏まえ、あわせて質の向上や住民満足度など、都民の利益に関して研究を進めていくこと。また、指定管理者制度や地方独立行政法人制度、市場化テスト、PFI制度に関しては適切に検証を行っていくこと。
一、監理団体の自主的、自律的運営と経営改革を促進して、その設立目的を生かすこと。また、公共性、経済性の観点から監理団体の契約の総点検を行い、規定の整備や公表を行っていくこと。
一、都区のあり方検討委員会の議論を前進させるため、十二年改革を総括し、議論の座標軸を確認した上で協議を進めていくこと。
一、多摩・島しょ地域の特性を生かした振興発展のために、総合的な施策の実現を図ること。
一、多摩振興は、多摩リーディングプロジェクト改訂版等の推進を通じて、持続的発展の基礎づくりを促進し、生活都市が織りなす多摩自立都市圏を構築していくこと。また、市町村の要望を今後もより一層踏まえること。
一、三宅村に対しては、火山活動災害に伴う復旧・復興事業を今後も円滑に進めるため、財政支援を行い、村民の生活再建や産業振興対策に万全を期すこと。
一、小笠原諸島の復帰から四十周年のことし、国に小笠原諸島振興開発特別措置法の延長の働きかけを行うとともに、航空路開設に関しては、小笠原村の意向や国の動向なども踏まえ、早期に調査検討に取り組み、航空路案の方針をまとめていくこと。
一、大地震等の自然災害のみならず、大規模事故やNBC災害などの危機に対応するため、全庁的な取り組み体制を構築すること。
一、犯罪被害者やその家族等の精神的、経済的負担を軽減するなど総合的な支援を行う推進計画の適正な実行を図るとともに、犯罪被害者支援条例の制定を検討すること。
一、平成二十五年に開催する東京国体の開催準備、メーン会場である調布市の味の素スタジアムを初め、必要な競技施設の整備等を着実に行っていくこと。
以上申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。
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