2006.10.23 : 平成17年度_各会計決算特別委員会第3分科会(第4号)
◯尾崎委員
本年四月からスギ花粉の発生源対策が始まったわけですが、この事業は、森林所有者との調整から始まり、伐採作業、その後の森林の整備、また、切り出した木材をどう活用していくかといった広範囲に及ぶわけであります。事業を円滑に進めるためには、これらすべてがうまく機能をしなければならないと考えております。花粉対策は長期的な取り組みであり、地元自治体、森林組合、森林所有者、また木製材業者と十分調整を図りながら事業を進めていただきたいと考えております。 今回は、その中でも、切り出した木材をどう活用していくかについて何点かお伺いをしたいと思います。 私は六月の第二回定例会でも質問させていただいたんですが、スギ花粉の発生源対策では、十年間で百八十万本の杉、ヒノキを伐採する計画です。 現在の多摩産材の流通を見ますと、単に木材を供給するだけでは、切り出された木材を有効に活用することが困難な状況だと考えております。実際、この十月から切り出しが始まるわけですし、せっかく税金を投入して木材を切り出すわけでありますから、需要の確保を整備するのは当然必要だと考えております。 まず、この需要拡大に当たりまして、切り出した多摩産材を本物の多摩産であると認証する制度である多摩産材認証制度について、現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
◯大村農林水産部長
現在東京都では、多摩産材認証協議会に対しまして、認証制度の具体的な運用方法などについてアドバイスを行っているところでございます。 認証協議会への登録事業者数は、本年四月の認証制度発足当初には十九事業者でございましたけれども、九月末現在では四十六事業者に拡大しているところでございます。 また、本年度の認証材の流通量は、九月末で一千百立方メートル、丸太にして約七千本分となってございますが、先生おっしゃいますように、この秋から、主伐事業の開始によりまして、また伐採が始まりますので、かなり増加する見込みでございます。 今後も、多摩産材の需要増加が図れるように、認証制度の拡大について支援を続けていきたいというふうに考えてございます。
◯尾崎委員
東京都においても、多摩産材利用の率先的取り組みが必要だと思うんですが、都全体での多摩産材の利用の取り組みについてお伺いをいたします。 今後の多摩産材の利用拡大のためには、東京都だけではなく、民間においての需要拡大が不可欠だと考えております。しかし、都民の多摩産材に対する認知はまだまだ進んでいない状況だと思います。 そこで、例えば、木材のよさを理解してもらうのに、理屈だけではなく、子どものころに木と親しむという体験も大切ではないかと考えますが、例えば子どもに対しての多摩産材のPRなどは行っているのか、まず所見をお伺いいたします。
◯大村農林水産部長
木材への理解を深めるには、子どものころから木に親しみ、関心を持つことが必要であるということを認識してございます。 このため、平成十七年度から、多摩産材を使用した定置型遊具を設置いたしました保育園などに補助を実施しておりまして、昨年度は二施設に対して補助を行いました。今年度は五施設を予定しているところでございます。 今後も、子どものころから木への関心を高めまして、また保護者や地域住民に対しても木に接する方策を進めることによりまして、多摩産材の普及を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
◯尾崎委員
多摩産材の利用は、今お話のあった、単に製材品としての利用だけではなく、エネルギーを初めとしたいろいろな用途が考えられるわけであります。 私のところの調布市では、木質ペレットストーブの設置に対して補助を始めていたりするんですが、現在、新たなエネルギーとして注目をされております木質バイオマスの活用を東京都でももっと進めるべきと考えますが、現在の木質バイオマスの取り組みの現状と今後の計画についてお伺いいたします。
◯大村農林水産部長
低質材や端材のエネルギーなどへの利用につきましては、多摩産材全体の付加価値を高めるために有効な手段であるというふうに考えてございます。 このため、現在、給湯用ボイラーやストーブ、木材乾燥施設で、木質バイオマスを燃料として使用しているところでございます。 今後も、木質バイオマスにつきまして普及PRを行いますとともに、さらなる活用の方法についての検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
◯尾崎委員
我が国の歴史を見ますと、有史以来、豊かな自然の中から産出される木材を巧みに生かして、今なお残っている歴史的な建造物など、木の文化とともに日本の文化が築かれたといっても過言ではないと思います。しかし、木材の輸入自由化以降、世界有数の木材輸入国となり、国内で現在使われている木材の八割は外国の輸入材に依存をしているという状況であります。 ところが、最近の外国産材の価格上昇、また違法伐採による輸入量の減少といった中で、国産材のよさが再び見直されてきております。 今年度から始まったこの花粉発生源対策事業は、国のとった拡大造林政策というものですけれども、戦後植林をされた成熟した杉、ヒノキ材を伐採し、地域の木材を安定的に供給するという、まさにこれは時流に乗った事業であると考えております。今まで停滞していた森林、林業の活動に新たな活力を与えるものであり、今後もっと推進をしていただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。 次に、二〇〇七年問題ともいわれる、団塊世代の大量退職についてお伺いをいたします。 全国で約七百万人、首都圏でも百八十三万人の大量退職が見込まれているわけでありますが、この二〇〇七年問題を二つの視点で見ますと、一つは、有意義な第二の人生を過ごしていくのに、どう必要な支援ができるのかどうか。私が二定で質問をさせていただいたのは、先ほどの花粉症対策などに絡め、森林再生や環境保全活動など、さまざまな社会貢献活動に参加する機会を持つことであります。 もう一つの視点としては、現役時代の経験を生かして新たな仕事にチャレンジすることなどが、今後の意義ある人生を送っていただくために必要と考えております。 そこで、急速な少子高齢化が進む中で、社会の活力を維持していくためには、団塊世代が長年培ってきた知識や経験を生かして働くことができるような就業支援が必要であると考えております。都としては、就業支援に対してどのように取り組んでいるのか、現状と今後の施策を伺います。
◯三森参事
団塊世代の就業支援への取り組みについてでございますが、意欲と能力のある団塊の世代が社会で活躍できるよう、就業支援を行うことは重要であると認識しております。 このため、東京しごとセンターにおいて、きめ細かな就業相談や職業紹介を行いますとともに、再就職支援セミナーの開催、NPOでの就業などの多様な働き方に関する情報を提供してきております。 また、高年齢者技術専門校では、おおむね五十歳以上の方を対象といたしまして訓練科目を集中的に展開してまいりまして、再就職に向けたスキルアップへの支援を実施しているところでございます。 今後とも、団塊世代の方々の就業を促進するため、施策の充実を図ってまいります。
◯尾崎委員
戦後の日本経済は、優秀なものづくり技術が支えとなって、大きな進展を遂げてきたと思います。間もなく熟練技能者が大量に退職を迎えることとなり、今ものづくりの現場では、今まで培ってきた技術、技能が失われてしまうのではないかとの危機感を持っております。 そうした時代状況を背景にして、神奈川県では、本年、かながわものづくり継承塾というのを開設したと聞いておりますが、都では同じような感じで、既に東京ものづくり名工塾というものを実施し、高度な技術や技能の継承を図っていると聞いております。 このような取り組みの際、例えば熟練技能を持った団塊世代や既に退職している方々を講師として積極的に活用することができれば、雇用の拡大にもつながるだけでなく、世代間交流を通じた取り組みによって、若者の就業意欲の向上にも寄与するものと考えております。 そこで、この東京ものづくり名工塾の取り組み実績についてお伺いをいたします。
◯三森参事
先生お話しの東京ものづくり名工塾は、平成十三年度に大田技術専門校で開設いたしました。それ以来、順次、立川、板橋、江戸川の各技術専門校において拡大してまいりました。 平成十七年度は四十三名が受講いたしまして、これまでに百七十三名の修了生を送り出しております。 また、実施に当たりましては、団塊の世代や既に退職しておられます高度熟練技能者を講師といたしまして招きまして、その豊富な知識、経験の継承に努めているところでございます。 今後とも、こうした取り組みを推進しまして、団塊の世代から青年技術者への技能継承が円滑に行われますよう支援してまいります。
◯尾崎委員
今お話のあった、この技術専門学校の活用などはお聞きしたとおりだと思いますが、先ほどお話のあった、例えばNPOだとか技術専門学校だけではなくて、より多方面において、今後もこの団塊世代の活用について一層の充実を要望いたしまして、私の一連の質問を終わります。
本年四月からスギ花粉の発生源対策が始まったわけですが、この事業は、森林所有者との調整から始まり、伐採作業、その後の森林の整備、また、切り出した木材をどう活用していくかといった広範囲に及ぶわけであります。事業を円滑に進めるためには、これらすべてがうまく機能をしなければならないと考えております。花粉対策は長期的な取り組みであり、地元自治体、森林組合、森林所有者、また木製材業者と十分調整を図りながら事業を進めていただきたいと考えております。 今回は、その中でも、切り出した木材をどう活用していくかについて何点かお伺いをしたいと思います。 私は六月の第二回定例会でも質問させていただいたんですが、スギ花粉の発生源対策では、十年間で百八十万本の杉、ヒノキを伐採する計画です。 現在の多摩産材の流通を見ますと、単に木材を供給するだけでは、切り出された木材を有効に活用することが困難な状況だと考えております。実際、この十月から切り出しが始まるわけですし、せっかく税金を投入して木材を切り出すわけでありますから、需要の確保を整備するのは当然必要だと考えております。 まず、この需要拡大に当たりまして、切り出した多摩産材を本物の多摩産であると認証する制度である多摩産材認証制度について、現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
◯大村農林水産部長
現在東京都では、多摩産材認証協議会に対しまして、認証制度の具体的な運用方法などについてアドバイスを行っているところでございます。 認証協議会への登録事業者数は、本年四月の認証制度発足当初には十九事業者でございましたけれども、九月末現在では四十六事業者に拡大しているところでございます。 また、本年度の認証材の流通量は、九月末で一千百立方メートル、丸太にして約七千本分となってございますが、先生おっしゃいますように、この秋から、主伐事業の開始によりまして、また伐採が始まりますので、かなり増加する見込みでございます。 今後も、多摩産材の需要増加が図れるように、認証制度の拡大について支援を続けていきたいというふうに考えてございます。
◯尾崎委員
東京都においても、多摩産材利用の率先的取り組みが必要だと思うんですが、都全体での多摩産材の利用の取り組みについてお伺いをいたします。 今後の多摩産材の利用拡大のためには、東京都だけではなく、民間においての需要拡大が不可欠だと考えております。しかし、都民の多摩産材に対する認知はまだまだ進んでいない状況だと思います。 そこで、例えば、木材のよさを理解してもらうのに、理屈だけではなく、子どものころに木と親しむという体験も大切ではないかと考えますが、例えば子どもに対しての多摩産材のPRなどは行っているのか、まず所見をお伺いいたします。
◯大村農林水産部長
木材への理解を深めるには、子どものころから木に親しみ、関心を持つことが必要であるということを認識してございます。 このため、平成十七年度から、多摩産材を使用した定置型遊具を設置いたしました保育園などに補助を実施しておりまして、昨年度は二施設に対して補助を行いました。今年度は五施設を予定しているところでございます。 今後も、子どものころから木への関心を高めまして、また保護者や地域住民に対しても木に接する方策を進めることによりまして、多摩産材の普及を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
◯尾崎委員
多摩産材の利用は、今お話のあった、単に製材品としての利用だけではなく、エネルギーを初めとしたいろいろな用途が考えられるわけであります。 私のところの調布市では、木質ペレットストーブの設置に対して補助を始めていたりするんですが、現在、新たなエネルギーとして注目をされております木質バイオマスの活用を東京都でももっと進めるべきと考えますが、現在の木質バイオマスの取り組みの現状と今後の計画についてお伺いいたします。
◯大村農林水産部長
低質材や端材のエネルギーなどへの利用につきましては、多摩産材全体の付加価値を高めるために有効な手段であるというふうに考えてございます。 このため、現在、給湯用ボイラーやストーブ、木材乾燥施設で、木質バイオマスを燃料として使用しているところでございます。 今後も、木質バイオマスにつきまして普及PRを行いますとともに、さらなる活用の方法についての検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
◯尾崎委員
我が国の歴史を見ますと、有史以来、豊かな自然の中から産出される木材を巧みに生かして、今なお残っている歴史的な建造物など、木の文化とともに日本の文化が築かれたといっても過言ではないと思います。しかし、木材の輸入自由化以降、世界有数の木材輸入国となり、国内で現在使われている木材の八割は外国の輸入材に依存をしているという状況であります。 ところが、最近の外国産材の価格上昇、また違法伐採による輸入量の減少といった中で、国産材のよさが再び見直されてきております。 今年度から始まったこの花粉発生源対策事業は、国のとった拡大造林政策というものですけれども、戦後植林をされた成熟した杉、ヒノキ材を伐採し、地域の木材を安定的に供給するという、まさにこれは時流に乗った事業であると考えております。今まで停滞していた森林、林業の活動に新たな活力を与えるものであり、今後もっと推進をしていただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。 次に、二〇〇七年問題ともいわれる、団塊世代の大量退職についてお伺いをいたします。 全国で約七百万人、首都圏でも百八十三万人の大量退職が見込まれているわけでありますが、この二〇〇七年問題を二つの視点で見ますと、一つは、有意義な第二の人生を過ごしていくのに、どう必要な支援ができるのかどうか。私が二定で質問をさせていただいたのは、先ほどの花粉症対策などに絡め、森林再生や環境保全活動など、さまざまな社会貢献活動に参加する機会を持つことであります。 もう一つの視点としては、現役時代の経験を生かして新たな仕事にチャレンジすることなどが、今後の意義ある人生を送っていただくために必要と考えております。 そこで、急速な少子高齢化が進む中で、社会の活力を維持していくためには、団塊世代が長年培ってきた知識や経験を生かして働くことができるような就業支援が必要であると考えております。都としては、就業支援に対してどのように取り組んでいるのか、現状と今後の施策を伺います。
◯三森参事
団塊世代の就業支援への取り組みについてでございますが、意欲と能力のある団塊の世代が社会で活躍できるよう、就業支援を行うことは重要であると認識しております。 このため、東京しごとセンターにおいて、きめ細かな就業相談や職業紹介を行いますとともに、再就職支援セミナーの開催、NPOでの就業などの多様な働き方に関する情報を提供してきております。 また、高年齢者技術専門校では、おおむね五十歳以上の方を対象といたしまして訓練科目を集中的に展開してまいりまして、再就職に向けたスキルアップへの支援を実施しているところでございます。 今後とも、団塊世代の方々の就業を促進するため、施策の充実を図ってまいります。
◯尾崎委員
戦後の日本経済は、優秀なものづくり技術が支えとなって、大きな進展を遂げてきたと思います。間もなく熟練技能者が大量に退職を迎えることとなり、今ものづくりの現場では、今まで培ってきた技術、技能が失われてしまうのではないかとの危機感を持っております。 そうした時代状況を背景にして、神奈川県では、本年、かながわものづくり継承塾というのを開設したと聞いておりますが、都では同じような感じで、既に東京ものづくり名工塾というものを実施し、高度な技術や技能の継承を図っていると聞いております。 このような取り組みの際、例えば熟練技能を持った団塊世代や既に退職している方々を講師として積極的に活用することができれば、雇用の拡大にもつながるだけでなく、世代間交流を通じた取り組みによって、若者の就業意欲の向上にも寄与するものと考えております。 そこで、この東京ものづくり名工塾の取り組み実績についてお伺いをいたします。
◯三森参事
先生お話しの東京ものづくり名工塾は、平成十三年度に大田技術専門校で開設いたしました。それ以来、順次、立川、板橋、江戸川の各技術専門校において拡大してまいりました。 平成十七年度は四十三名が受講いたしまして、これまでに百七十三名の修了生を送り出しております。 また、実施に当たりましては、団塊の世代や既に退職しておられます高度熟練技能者を講師といたしまして招きまして、その豊富な知識、経験の継承に努めているところでございます。 今後とも、こうした取り組みを推進しまして、団塊の世代から青年技術者への技能継承が円滑に行われますよう支援してまいります。
◯尾崎委員
今お話のあった、この技術専門学校の活用などはお聞きしたとおりだと思いますが、先ほどお話のあった、例えばNPOだとか技術専門学校だけではなくて、より多方面において、今後もこの団塊世代の活用について一層の充実を要望いたしまして、私の一連の質問を終わります。