2011.11.01 環境・建設委員会
〇尾崎委員

私は建設廃材の利用拡大方策について、まず最初にお伺いをいたします。
東京都において、民間解体工事や公共工事等に伴って大量のコンクリート塊が発生をしております。
ちなみに、国交省の平成二十年度建設副産物実態調査の建設廃棄物内訳によると、全建設廃棄物は六千三百八十万トンですが、そのうちコンクリート塊が三千百三十万トンと、ほぼ五〇%を占めております。
このコンクリート塊は建設リサイクル法で、特定建設資材としての分別解体、再資源化が義務づけられておるのはご承知かと思います。
これらのコンクリート塊は、建設廃棄物協同組合の調査によるとほぼ一〇〇%に近いリサイクル率となっており、再生砕石として、道路の路盤材等に利用されているようであります。
ただ、ここに来て新たな問題が出ております。一つは古いビルなどの建てかえなど、民間解体工事に伴うコンクリート塊の大量発生と、これまでリサイクル品としての再生砕石の受け皿需要としての公共施設、基盤整備事業の、全体的な減少に伴う需要縮小により、再生砕石が余りぎみになっていることであります。
特に、羽田の拡張工事が完了したことによって、この問題は顕在化をしてきております。
ちなみに都内の建設廃材処理業者の敷地には、このような再利用されない再生砕石が、今もう山のように積まれておりまして、早急な対策が必要かと思われます。
現在、この再生砕石が余りぎみになっているということを、まず東京都として把握をしているのか。
また、建設廃材リサイクル品としてのコンクリート塊の、現在の排出量と再生量及びリサイクル率はどうなっているのか。またこのような状況に対して、具体的な対策を立てているのかお伺いをいたします。

〇木村廃棄物対策部長

環境局では毎年度、産業廃棄物の実態調査を行っており、それによりますと、平成二十一年度のコンクリート塊の排出量二百八十九万トンに対しまして、再生利用量は二百七十五万トンで、リサイクル率は約九五%となっております。
都はこれまで東京都建設リサイクル推進計画を策定し、再資源化目標値を定めますとともに、東京都建設リサイクルガイドラインあるいは東京都環境物品等調達方針を定めまして、再生砕石等の建設副産物の利用を促進してまいりました。
しかしながら最近、一部のコンクリート塊の破砕処理業者からは、公共工事の減少に伴い、再生砕石の需要が減少していると聞いております。
再生砕石は公共工事での使用量が多いことから、環境局では、建設部局を含めました関係部局で構成されます東京都建設副産物対策協議会等の場におきまして、再生砕石の需給バランスが崩れている状況について情報を共有するとともに、関係機関等に再生砕石の積極的な利用を働きかけてまいります。

〇尾崎委員

これは、もちろん関係機関等に積極的に働きかけていくということは必要だと思うんですけれども、この再生砕石の今の余剰状況というのは、ちょっとやそっとじゃ解決をしない問題だと思います。
これから先、何年もこうした状況は続いていくわけでありますし、東京都で今後、羽田の拡張工事レベルのインフラ整備が出るとも思えないんです。
だったら、抜本的な対策を、環境局がやっぱり主体的に行っていくことが必要だということを僕はいいたいんですが、今般、東京都は東日本大震災の瓦れき処分の受け入れとして、岩手県と、九月三十日に災害廃棄物の処理基本協定を締結しました。十月十九日には先行事業分として、岩手県宮古市の災害廃棄物を処分する業者を決定しました。
被災地の復興に向けた行動の一つとして、自治体連携という意味では、これは非常に評価をするものであります。
ただ、現在岩手県でも、復旧、復興工事が急ピッチで進められております。特に地盤沈下や道路復旧に対する工事においては、この再生砕石の利用が促進されて、全体的に砕石の需要が増大していると聞いております。
ちなみに、この「コンクリート工業新聞」の十月二十日号では、宮城県の砕石事業者は値上げに動いていると。
今後、震災復興需要が本格化してくれば、選別出荷という事態も予想されるとの見通しも示しておりまして、再生砕石の需給逼迫が予想されるわけであります。 このように、東京では再生砕石が余りぎみであり、一方、被災地では足りないという状況が生まれているわけであります。
そこでお尋ねしたいんですが、東京の余りぎみの再生砕石を被災地において活用する方策を考えることも、自治体間被災地支援として大きな支援策になると思われるんですが、いかがでしょうか。

〇木村廃棄物対策部長

現在、岩手県及び宮城県と、災害廃棄物の都内への受け入れにつきまして調整を進めておりますが、被災地の両県に聞きましたところ、まだ具体的な復興計画の策定が進んでいないため、再生砕石の必要量や被災地での過不足量の把握などは、ほとんど進んでいないとのことでございました。
被災地に対しましては、被災自治体のニーズに応じた支援を行っていくことが必要と考えております。

〇尾崎委員

今ご答弁で、この再生砕石の必要量や被災地での過不足量の把握などはほとんど進んでいないということでありますけれども、これは僕がもらった資料で、財団法人の建設物価調査会というところが東日本大震災に関する建設資材情報というのを出しています。
ここでは、釜石、大船渡周辺では道路障害や瓦れき撤去作業の本格化に伴う運搬車両不足等で出荷制限があると。被災瓦れき収集作業が本格化する中で通常の発生ガラの流通が減少し、再生砕石はほとんど在庫切れの状態ということを書いているのです。
これは、別に僕もいいかげんなところから引っ張ってきた情報じゃないので、東京都がいっている話もわかるんですけれども、ぜひ、これの現地の話と、こうした情報の精査をしていただきたいなと思うんですけれども、どうでしょうか。


〇木村廃棄物対策部長

建設資材の需給に関します情報につきましては、現時点での需給バランスに関するものと、先ほど私が述べましたような将来の復興事業に関する見通しのものとがあるかと思います。
今後、被災地でも、災害廃棄物のリサイクルの観点から再生砕石の生産が行われると思われます。
被災地自身での供給も勘案しながら、情報を精査し、被災地におけます需給バランスを検討する必要があると考えております。


〇尾崎委員

ぜひ、これは真剣に調べていただきたいと思うんです。
東京都の話だと、今現在、被災地では、災害廃棄物の仮置き場の確保また搬出のための選別等が優先されていて、再生砕石を受け入れるような場所がなかなかないという話も聞いているんですけれども、実際、宮古市は、これから東京都に廃材を持ってくるわけですし、搬出はこれから着実に進んでいくと思うんです。
これは単純な話かもしれないですけれども、実際、建設廃材が向こうの被災地で、これから東京都を含めていろいろなところ、各地域に運ばれると、その分そこがあくわけですから、そこに、東京で余剰状況にあるコンクリート塊を持っていくというのは、これも一つの考え方として、僕はぜひ検討していただきたいと思うんです。
今回の岩手県の宮古市の瓦れきについては鉄道輸送になっているんですけれども、今後、これは鉄道輸送のみではなくて、トラックや船などの輸送手段も考えられます。
一般的にこのロジスティクスコストを考えれば、輸送の往復で荷が運ばれることは物流効率を上げることになるわけですが、例えば、被災地から瓦れきを運搬してきたこの交通機関の帰り便に、再生砕石を積んで運搬をするということも考えられると思うんですけれども、いかがでしょうか。

〇木村廃棄物対策部長

災害廃棄物の受け入れをした際の帰り便に再生砕石を積み、運搬することにつきましては、被災地の現在の受け入れ状況から見まして、今のところ難しいと考えておりますが、復興事業の時期の情報等を収集しながら、今後考えていきたいと思います。

〇尾崎委員

別に、あした、あさってに始めてくれっていってるわけじゃなくて、ぜひ、これは検討をしていただきたいと思うんです。
コンクリート塊は、本来これは売買するものでありまして、売り買いをするものなんですけれども、例えばコンクリート塊を扱っている都内の事業組合からは、輸送コストさえ東京都が何とかしてくれれば、このコンクリート塊は被災地に寄附をしても構わないという話もあるんです。ですから、ぜひこのことを真剣に検討して、環境局主体の施策というものを考えていただきたいと思っております。
建設廃材の話はこのくらいにしまして次の質問に移りたいんですけれども、私の一つの地元であります狛江市の話になるんですが、朝日新聞の、先月十月四日に記事が出まして、狛江市の第一小学校の校庭の井戸水が、砒素が環境基準値を二倍上回っている、こういう報道がなされました。
この事実関係を、まず把握しているのかということをお聞きしたいのと、環境省がまとめている毎年の三千カ所以上の都道府県の調査では、砒素が環境基準値を上回るのは全国の二%程度でありまして、件数的には六十件程度とのことでありますけれども、都の調査では、どの程度の頻度で検出されるものなのかお伺いをいたします。


〇島田環境改善技術担当部長

朝日新聞が報じました砒素のデータは、都が行っている地下水概況調査の暫定数値を引用したものでございます。
地下水概況調査は、都内の地下水の汚染状況を把握するために、都内の約六十地点を対象に毎年調査地点を変えながら実施しているもので、結果につきましては、通例、翌年度の七月ごろに公表しております。
調査の結果、環境基準を超過した場合は、井戸の所有者にその旨を通知し、飲用を避けるように働きかけております。今回、調査地点の一つである狛江市の井戸で砒素の暫定値が環境基準を超過したことから、データ確定前ではございますが、狛江市に情報を提供したものでございます。
砒素につきましては、平成十八年度から二十二年度までの五年間を見ますと、平成十八年度に二件、平成十九年度に一件、それぞれ環境基準を超過した地点が新たに見つかっております。

〇尾崎委員

今回、狛江市の井戸で砒素と一緒に環境基準超過が確認をされた1・2ジクロロエチレンという物質があるんですけれども、これは自然界には存在しない物質でありまして、隣接する旧東京航空計器跡地が汚染源だとする専門家の意見があります。
この1・2ジクロロエチレンという物質が環境基準値を上回って検出されるケースというのは、都内ではどの程度あるのかお伺いをいたします。

〇島田環境改善技術担当部長

今回、狛江市の井戸で砒素とともに環境基準超過が確認されました1・2ジクロロエチレンは、金属脱脂洗浄剤などとして使われるトリクロロエチレン、またドライクリーニング溶剤として用いられるテトラクロロエチレンが分解されて、生成されるものでございます。 ここ五年ほどを見ますと、都内では、1・2ジクロロエチレンの環境基準を超えた地点が新たに見つかるケースはございませんでした。

〇尾崎委員

やっぱり、砒素にしてもこの1・2ジクロロエチレンにしても、都内で検出されるケースはほとんどないということで、周辺の市民の方が、このえたいの知れない物質に非常に不安を抱いていることはご推察していただきたいと思うんです。
今回、汚染が出た井戸は、一義的には災害対策井戸でありまして、ふだんはこれは飲用に使われているものではないんですけれども、狛江市では地下水を飲料水にブレンドして供給をしております。
この点で、第一小学校の児童、保護者だけではなくて、広い範囲にわたって、市民の中には、この飲料水は大丈夫なのかという非常に差し迫った強い懸念があるわけであります。
また、災害時には飲料とする可能性もないとはいえないことからも、この汚染源の特定を急ぐ必要があると思いますが、今後の調査の方針と方法、そしてスケジュールについて示していただきたいと思います。

〇島田環境改善技術担当部長

東京都水道局では、狛江市内に水道水源井戸を持っております。
そこで採水した水と河川水を水道水源として利用しております。 水道原水の水質につきましては水道局が定期的に調査しており、これまでも、水質上問題ないことを確認してから、水道水として供給していると聞いております。 今回、狛江市第一小学校の井戸で汚染が見つかったことを受け、水質汚濁防止法に基づき、汚染が判明した井戸の周辺におきまして、井戸の所有者と調整がつき次第、今年度、実態把握のために汚染井戸周辺地区調査を実施いたします。 さらに、汚染井戸周辺地区調査の結果を踏まえ、必要な地点におきまして、来年度以降、継続監視調査を実施する予定でございます。

〇尾崎委員

現在この狛江市では、小学校に隣接する土地、これは旧東京航空計器の跡地なんですけれど、ここに建設予定されている大規模マンションをめぐって、狛江市のまちづくり条例に基づく調整会が行われております。そしてこの環境問題については、この調整会の助言に基づいて、調整会とは別に、事業者と市民の皆さんと、そして行政が話し合う場が設けられております。
東京都としては、水質汚濁防止法上、毎年、水質の測定計画を立てることとされておりまして、同計画にのっとり概況の調査を行っている立場から、現在進めているリスクコミュニケーションの情報提供をするのはもちろんであると思います。
実際に調査に携わっている立場から、この会に職員をぜひ参加させていく必要があると考えるんですが、いかがでしょうか。

〇島田環境改善技術担当部長

現在、狛江市で行われております話し合いの場につきましては、狛江市まちづくり条例に基づく、学識経験者と公募市民によって構成されます狛江市まちづくり委員会の調整会の助言に基づいて行われると聞いており、基本的に、まちづくり条例を所管する狛江市と事業者、住民との間で話し合いが行われる場と理解しております。
都といたしましては、水質汚濁防止法に基づき行われている地下水概況調査の結果提供や技術支援など、必要に応じて円滑な対応に向けた協力を行ってまいります。


〇尾崎委員

それはわかるんですけれど、やっぱり、今、構成されているまちづくり委員会の調整会の部分では、なかなか市民の皆さんも納得がいかない部分もあるので、適宜、情報を提供するなど協力はしてもらっているんですけれども、ぜひ求めがあれば参加をしていただきたいというようなことも考えているんですが、いかがですか。

〇島田環境改善技術担当部長

本件につきましては、今後とも狛江市と情報を共有しながら、対応につきまして協力を進めてまいりたいと考えております。

〇尾崎委員

ぜひお願いします。
先ほどの砒素の件で、旧東京航空計器跡地の話をさせていただきましたけれども、この跡地は、先ほどもお話ししましたが、大規模マンションの建設が予定されております。 ここから、数次にわたりかなりの高濃度でダイオキシン類が検出されていると聞いておりますけれども、この事実関係というのは、東京都として把握をしているかお伺いさせていただきます。

〇島田環境改善技術担当部長

当該敷地につきましては、不特定多数の人が立ち入れない場所であるためダイオキシン類対策特別措置法の対象外となっておりますが、都は、狛江市から随時情報を得ており、事実関係を把握しております。
具体的には、昨年十一月、事業者が工場を閉鎖するに当たりまして焼却灰が見つかり、その灰がダイオキシン類で汚染されていたことが判明したため、事業者が除去し、これが適正に処分されたことを産業廃棄物管理票により確認しております。
また、本年三月から、土地の所有者により、国が示しているダイオキシン類に係る土壌調査マニュアルを参考にしつつ、住民説明会での意見等を踏まえながら調査が実施されました。
その結果、一地点が環境基準千ピコグラムを超過したため、この部分を除去したことを確認しております。

〇尾崎委員

これは、問題は、調査のたびにダイオキシンが検出されていることであります。
先般の九月二十一日の朝日新聞によれば、地中で、表層部分より高濃度のダイオキシンが見つかっておりまして、人為的汚染の可能性が専門家により指摘されていることを紹介しております。
そして、十月三日には事業者が追加調査を行って、先日出た結果では、さらに深さ一メートルのところから調査指標値二百五十ピコグラムを上回る値が出たと聞いております。
まずは汚染土を、すべて撤去、入れかえをすべきではないかと考えるんですが、ご所見をお伺いします。

〇島田環境改善技術担当部長

事業者によりまして八月に行われた追加調査によりますと、地表から深さ五センチメートルの値より、深さ五十センチメートルの値の方が高い結果となった地点がありましたが、すべて環境基準値の千ピコグラムを下回っていると聞いております。
さらに、事業者により、十月に、これらの地点における深さ一メートル、一・五メートル、二メートル、三メートルでの追加調査を行ったところ、一地点のうち深さ一メートルにおきまして、追加的調査や継続的なモニタリングを行う指標となる調査指標値である二百五十ピコグラムを上回っておりますが、環境基準値である千ピコグラムを下回っていると聞いております。
なお、調査指標値である二百五十ピコグラムを上回った地点につきましては、事業者が今後、除去する予定と聞いております。

〇尾崎委員

環境基準値を下回っているというんですけれど、調査指標値である二百五十ピコグラムは上回っているわけであります。
これ、住民の方々にしてみれば、環境基準値と調査指標値の違いっていうのは、なかなかわからない人が中にはいるんですよね。かなりそこで不安を持っている人たちが多いので、その中で、東京都はダイオキシン対策特別措置法において常時監視の義務を負っているわけでありますから、今回の狛江市の件でも、やっぱり部外者じゃないと僕は思っております。
現在、このマンション計画をめぐって、狛江市まちづくり条例に基づいて事業者と住民の意見調整を図る調整会が行われておりますけれども、環境問題については、調整会の助言に基づいて、分科会が設けられて議論されていると聞いております。
二十九日の新聞報道によれば、会は、地元狛江市の運営上の問題もあって、非常に住民の皆さんの不満が高まっておりますので、ぜひ事業者や狛江市の対応が円滑に進むよう、東京都も技術的な観点から積極的に助言をしていただくことを期待して、私の質問を終わります。
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